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属性、元素、宝石について

J・S・アルダートン著『六つの宝石と十五の属性』より抜粋

魔法は太古より火水風地の四元素からなると考えられ、それから長い間、属性は魔法使いの間で論争になってきた。中国で火水木金土の5属性の考え方が生まれたり、その後も色々な説が唱えられてきた。火水風地の四元素や、陰陽二つだけに分ける考え方は多くの人に支持されてきたようである。
宝石と属性の対応も様々な考察がなされてきた。宝石と属性については6属性を6宝石に対応させるものが、理論上だけでなく実践的に用いるものとして確固たる地位を築きつつあるようである。

宝石から魔力を取り出すという手法は、しばしば強力な魔法を生み出す。魔力の弱い者でさえ宝石の力を借りれば実用的な魔法を作り出すことができる。
ただ、そのせいでこの魔法体系の少しいい加減なところは見過ごされてきたようである。
私は宝石の生み出す魔力について長年かけて数々の実験を試みて、宝石と属性の相性について検証し、より正確な対応をつきとめた。詳細は次章から論じていくが、ここではその概要を示しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■秘術 (arcane)

6属性体系においてもっとも間違った扱いをされている属性が秘術属性である。眠りや石化の魔法、錯乱呪文やその他精神に作用する魔法、召喚魔法などがこれに当たる。他属性との複合で使われる場合が多い。恐、麻痺、めまいの魔法はそれぞれ闇、雷、光との複合魔法だと考えられる。何の属性もないと思われる魔法の多くは秘術属性であり、最も基本的な属性ともいえる。

■風、空 (wind, air)

これも6属性体系の中では存在を無視されている属性である。この二つはしばしば同一視される。落雷や雨、吹雪など、天候を操作する魔法はこの空属性との複合である。

■光、聖、冷気 (light, holy, ice)

6属性体系においては、この3つは光属性としてまとめられるが、これらの宝石との対応はそれぞれ少しずつ異なる。いずれもダイアモンドの魔力と最もよく反応するが、冷気は少しサファイア寄りで、光は少しトルマリン寄りである。また、6属性体系において水属性と見なされてきた、治癒の魔法の多くは聖属性である。

■地、自然、毒、木 (earth, nature, poison, tree)

これらは6属性体系においては地・自然属性としてまとめられているが、宝石との対応はやはり少しずつ異なる。いずれもエメラルドの魔力に最もよく反応するが、自然は少しサファイア寄り、地は少しトルマリン寄り、毒は少しゾイサイト寄りである。

■水 (aqua)

6属性体系ではサファイアに対応するとされているが、サファイアとダイアモンドの中間であるが、どちらかといえばダイアモンドの魔力によく反応する。

■火、雷 (fire, lightning)

これらは6属性体系と同じくそれぞれルビーとトルマリンに対応する。ただし麻痺の魔法は雷と秘術の複合、落雷の魔法は雷と空の複合であるなど、6属性体系で扱われているほど単純ではない。

■闇 (dark)

6属性体系でいわれる通り、ゾイサイトに最もよく反応するが、次に反応がよいのはエメラルドである。

​熟達した魔法使いは、宝石の力を借りずとも繊細で強力な魔法を使うことができると言われるが、それは同感である。しかしそのような魔法使いにとっても、宝石と属性の深い知識は、より高度な魔法へと導く力になると私は信じている。

『六つの宝石と十五の属性』以後

  

アルダートン教授の十五属性は当時としては画期的で、それまでで最も正確な属性分類だと思われるが、現在では宝石との関係は平面のトライアングルではなく、Z軸を加えた三次元の図で表すのが主流となっている。

H・E・フーパーの混合元素説

 

 〝属性〟とはすべての物質を構成する四大元素(火、水、風、地)と5つ目の元素アイテール(aiþér)によって決まっている。

 混合元素は、四大元素が合わさったもので、秘(火+水)、砂(火+地)、雷(火+風)、木(水+地)、氷(水+風)、毒(地+風)の6つであり、これもまた属性を決定づける要素である。

 5つ目の元素アイテールは、火の元素と風の元素が接触(混合ではない)することによって発生する。

 このアイテールが光転、闇転することによって生じるのが光属性と闇属性である。

 

基礎元素

・火

・水

・風

・地

・空 (火と風の接触により発生)

 

混合元素

・秘 (火水)

・砂 (火地)

・雷 (火風)

・木 (水地)

・氷 (水風)

・毒 (地風)

光と闇

​・光 (空の元素アイテールが光転することで生じる)

​・闇 (空の元素アイテールが闇転することで生じる)

A・ヴィーグリーズ「宝石と属性の結びつき」

 

次の図はさまざまな宝石がどのような属性の魔法に適しているかの目安を示したものである。

宝石が内包する魔力は宝石ごとに量的差異があることに留意されたい。

たとえば、図の端にある宝石であっても内包する魔力が全般的に多い宝石であれば、もう片方の端にある属性の魔法であっても問題なく適応する場合もあるということだ。

また、宝石ごとの固有の特性についてはこの図では示されていないことにも注意してほしい。

 

宝石の魔力について学んだ者にとっては基本的なことではあるが、宝石の内包物は宝石が内包する魔力にも影響を与える。

同種の鉱物であるルビーとサファイア、エメラルドとアクアマリンが図の端と端にあることからもわかる通り、宝石の色は内包する魔力の特性を大きく変化させる。

 

魔導研究所所員による註: この8属性説はA・ヴィーグリーズ氏が提唱したものである。

アルダートン教授による、15属性と6宝石のトライアングル.png
宝石と属性.png
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