The Fleetfeathers と The Halfbreed Witchcraft
BGM: Aphex Twin / Strotha Tynhe
Shárú Ar Mort が壊滅してから約80年が過ぎた。オーギュと出会って100年も経つとなると私たちが生きる世界でも色んなことが変わってきている。この数十年で、非魔法族たちが〝科学〟と呼ばれる独自の魔術を発達させて、非魔法族にも使える様々な魔法道具を編み出すようになった。
最近魔法界では、非魔法族が作った〝ラジオ〟や〝テレビ〟といった魔法道具を見た目はそのままに魔導式で作り直したものが流行している。
小さな事件は時折起こるものの、Shárú Ar Mort が猛威を振るっていた頃に比べると今はとても平和だ。私もオーギュといっしょに魔導式ラジオに向けて楽器を演奏したり歌を歌ったりするようになった。
昨年からはセロ、ヘーゼルとともに The Halfbreed Witchcraft というバンドを結成して時々ラジオに向けてライヴを流したりもしている。
音楽を記録して奏でる〝囀りの書〟に曲を収めていて、オーギュとのデュオ The Fleetfeathers 名義では今までに7冊の囀りの書を作った。
The Halfbreed Witchcraft での初めての囀りの書は、ヘーゼルが描いてくれたシュルレアル魔術画を表紙にする予定だ。
魔法学校に通っていた頃の仲間たちで今も生きているのはセロとヘーゼルくらいだけど、ミアやイゾルト、キーラの肖像画は今も私たちの家に飾ってある。ヘーゼルの家にはガリレイさんの肖像画もあるらしい。
何か不穏な出来事が起きたときには今でもキーラの知恵を貸してもらうことがあるし、ピアノのことはイゾルトに聞いたりもする。
肖像画は年を取らないけれど、100歳を超えた今でも私たちは驚くほど変わりがない。
この数十年でハープ以外にも色んな楽器を奏でるようになった。新しく覚えたのはギター、ハーディ・ガーディ、オカリナ、ミュージックソーなど。今はディジュリドゥを練習しているところだ。
オーギュは相変わらずハープ以外弾こうとしないのだけど、今では随分上手く弾けるようになった。
さて明日は Nine Bones Studio で The Halfbreed Witchcraft のレコーディングだ。近年は彼らと直接顔を合わせることはほとんどなかったけれど、囀りの書を作るということでこのところはよく4人で集まっている。明日は The Fleetfeathers の曲 "Phoenix's Teardrops" をバンドでやってみるのが楽しみだ。
