エレメンタルエルフについて
エレメンタルエルフは、容姿が変幻自在なことからエレメンタルボガートとも呼ばれる。人間に姿を見せるときは人間に近い姿をとる。個体によって火・水・風・地など何らかの属性を持つ。人間の姿をとるときは質量ゼロではないが、本来の姿では質量がないといわれている。
エレメンタルエルフは、ゴブリンやケンタウロスなどと同じく人間の言葉を話せる知的魔法生物だが、固有の言語も持っている。
彼らは話すだけでなく文字も使う。彼らの言語はルーン文字を使って書かれるが、人間の言葉で書く場合もラテン文字などを使うことはなく、ルーン文字に置き換えて書くようだ。
彼らの中には本を書く者もおり、それらが人間の手に渡ることもあるが、そういった本を読むには彼らの言語の知識とルーン文字の知識が必要となるだろう。
エレメンタルエルフは、エレメンタルフェアリー、エレメンタルボガート、あるいは単に精霊 (elemental) などと呼ばれているが、彼らはそのような呼び方をされることを好ましく思っていないようだ。
精霊というと、召喚士たちが契約を交わし、魔法の石碑から呼び出す者たちもそのように呼ばれるが、この二つの〝精霊〟は全く別の存在である。
彼ら自身は普通、エレメンタルエルフ全体ではなく、その者の持つ属性ごとに別の呼び方をしているという。
エレメンタルエルフは杖なしで魔法を使うことができる。ただ、魔法道具を使わないというわけではなく、属性に応じた宝石の首飾りを身に付けている場合が多いようだ。
エレメンタルエルフの子供がどうやって生まれるかはわかっていない。はっきりしているのは、エレメンタルエルフは親子で属性を受け継ぐというわけではないということだけだ。エレメンタルエルフ同士の交わりではなく、自らの魔力を高め凝縮することで、新しい命を作り出しているのではないかとも言われているが、それを裏付ける証拠は何も見つかっていない。
エレメンタルエルフが人間との関わりを持つ場合も、人間界のルールに従って行動するわけではない。
人間との間に子を作る場合があるが、人間の結婚生活や子育てのような形をとることはまれであり、子供が生まれたらすぐに去って二度と姿を現さないということも珍しくないという。
エレメンタルエルフは老いることはなく、殺されたりしない限り死ぬことはないといわれている。死ぬときは、身体ごとすぐに消え去ってしまうという。
エレメンタルエルフは人間に向けてかけられた魔法が作用しない場合がある。(瞬間移動の魔法を使えないようにする魔法がかけられていても魔法を使えるなど。魔法薬の作用についても)
ハーフブラッドの場合も同様のことが起こる場合がある。
ハーフエレメントについて
ハーフエレメント(half element, 人間とエレメンタルエルフのハーフブラッド。半精霊 (half spirit) とも)は、人間とエレメンタルエルフの両方の特徴をある程度ずつ受け継いでいる。
エレメンタルエルフは姿が変幻自在だが、ハーフエレメントも姿を変える能力をある程度受け継いでいる場合が多い。
ハーフエレメントは身体的に性別的な特徴がなく、単独でも他者との間でも子孫を残す能力をもたない。
ハーフエレメントは体重は通常の人間に比べるとかなり少ない。(同じ体型なら、通常の人間の3分の2程度)
ハーフエレメントは長身になる傾向がある。(サーシャの身長180cmは人間とのハーフブラッドとしては標準的、オーギュの166cmは低いほう)
ハーフエレメントが死ぬとき、人間のように死体がそのまま残ることはない。死後すぐに消えるわけではないが、数時間も経てば身体は消滅してしまう。
エレメンタルエルフの家系図と属性
エレメンタルエルフの人間の前での姿
精霊たちは、人間の前では人間に近い、エルフを思わせるような姿をとる場合が多い。
この姿はセラフ (Seraf Seraf) と呼ばれる。
エレメンタルエルフの容貌変化
エレメンタルエルフは容姿が変幻自在で、どんな姿にもなれるが、動物の姿になる場合、それぞれ特定の動物、特に鳥の姿をとることが多い。
その精霊が好んで変身する姿のことはヴェルム (Verum, Verum) と呼ばれる。
以下は各精霊のヴェルム。
ラグエル: 白鳥
ルシエル: ハヤブサ
グロリエル: モノペガサス(アリコーン)、シラサギ
テリエル: ハチドリ
エリシエル: サンダーバード
イシリエル: セキレイ
メネル: ツグミ、セイレーン
イグニス: サラマンダー
ナウリエル: 鬼火
ウイニエル: カモメ、メロウ
アルディエル: ワシ
イリス: 白い蝶
セルヴィエル: ヨダカ
ロジエル: ウグイス
マリエル: シギ
ベルギエル: ミサゴ
フィアラル: タカ
クラウディア: ハシビロコウ
ギルミア: ロック鳥
モルフェ(ディミエル): 黒狼、カササギ
人間に扮した精霊の姿
精霊たちは姿が変幻自在なため、完全に人間に扮して、人間のふりをしたりすることもできる。
精霊としてではなく人間として、人間と関わりを持つために、そのための名前と姿を持つ精霊もいる。
エレメンタルエルフの隠れ家
精霊たちのうちの一部は、彼らが〝祈りの庭〟と呼ぶ精霊の隠れ家で暮らしている。
この場所は、すべての森と通じているといわれるが、〝祈りの庭〟に立ち入ることができるのは、精霊やその血が混じった者、つまり精霊と半精霊だけである。それ以外の者はこの場所の入り口を見つけることすらできない。
古の時代、精霊の始祖エクセリアによって創られた。領主は光の精霊アルディエル。
〝祈りの庭〟は多くの精霊が集うが、一人だけ、あるいは数人だけの隠れ家も存在する。
眠りの家
水の精霊マリエルの隠れ家。深い海の底にあるという。
微睡の岸辺(まどろみのきしべ)
眠りの家に通じている岸辺。
憤激の虚(ふんげきのうろ)
かつて火の精霊イグニスが隠れ家にしていた。火山の火口にあるという。
地鳴りの館
地の精霊ベルギエルとフィアラルのきょうだいの隠れ家。岩山の洞窟の中にある。
嵐の古城
風の精霊ルシエルの隠れ家。高い空の上に存在しているという。
忘却の砂塵屈
砂の精霊クラウディアの隠れ家。砂漠のどこかにあるという。
悲嘆の塔
氷の精霊イシリエルの隠れ家。
古の精霊たちと、闇の精霊
精霊の始祖エクセリアは、自らの魔力を込めて火・水・風・地の4人の精霊を生み出した。 4人の精霊、エルノール、メルウィング、フェアスール、カイウスは四大精霊と呼ばれており、現在の精霊たちは皆彼らの子孫だという。 始祖と四大精霊はその後の魔法戦争によって命を落としたとされる。
イグニスは元は火の精霊であったが、闇の魔術によって自らに闇の力を取り込んで闇の精霊となった。そしてディミエルと名乗ったが、精霊たちは彼を精霊界から追放した。精霊たちは彼をモルフェと呼んでいる。
M・フレイによる古の精霊たちに関するコラムはこちら → ◇
エレメンタルエルフと属性
すべての精霊は何か一つの属性を持っている。
通常闇や毒の精霊は存在しない。
精霊はみな自然属性も持っているため、すべての精霊は自然との混合属性ともいえる。
始祖のエクセリアは例外であり、自然属性のみを持つ。
そのため無属性の精霊と呼ばれることもある。
水の精霊は海、河川や湖に、風の精霊は風、雲、雨や雪に力を与えているという。
精霊の子が属性を受け継がないのは、精霊の意思ではなく、この世界が必要とする精霊が生み出されるからだといわれている。
デミエレメントについて
デミエレメント(demi-element)は人間とエレメンタルエルフのハーフブラッドである。ハーフエレメントと同じく半精霊(half spirit)とも呼ばれるが、デミエレメントのほうが精霊に近い性質を持つといわれている。
ハーフエレメントとは生み出され方が異なるのではないかという説もあるがまだはっきりしていない。
デミエレメントはハーフエレメントよりもさらに数が少ないため、わかっていることは多くない。
変身術に長けている、特定の属性に特化した魔法能力を持つ、杖の魔法を好まない、などの傾向があるとされる。